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『ロレートの聖母』(ロレートのせいぼ(、))は、盛期ルネサンスの画家ラファエロ・サンティが描いた絵画。板に油彩で描かれた板絵で、現在はシャンティイのコンデ美術館 (:fr:Musée Condé) が所蔵している 。 『ロレートの聖母』は数世紀にわたって同じくラファエロの『ローマ教皇ユリウス2世の肖像』 (:en:Portrait of Pope Julius II (Raphael)))とともに保管されていた。最初はサンタ・マリア・デル・ポポロ教会 (:en:Santa Maria del Popolo)、次にプライベートコレクションで、このときに保管されていた場所ははっきりとしていない。これら2点の絵画の歴代所有者と来歴を明らかにするのは難しい。どちらの作品にも多くの模写が存在するために誤った記録も多く、重要な記録の精査が遅れていたりするためである。さらには『ロレートの聖母』という現在の通称も、もともとはロレートのサントゥナリオ・デッラ・サンタ・カーザに所蔵されていた、一時期はラファエロの真作と考えられていた模写に付けられていた名前である。現在ではこのサントゥナリオ・デッラ・サンタ・カーザに所蔵されていたのは間違いなく模写とされているが、作品名は誤った名称のままに定着してしまった。 == 外観 == 『ロレートの聖母』は、柔和でくつろいだ雰囲気を感じさせる作品である。目覚めたばかりの幼児キリストが聖母マリアのヴェールにじゃれつき〔、どこか憂鬱な表情をした聖ヨセフが陰ながらこの情景を見つめている。 ルネサンス期の絵画作品においてマリアのヴェールは、生誕後間もないキリストをマリア自身がかぶっていたヴェールでくるんだという伝承をあらわし、さらには将来のキリストの磔刑の予兆を意味する象徴として使用されていた。 ヨセフが憂鬱な表情で描かれているのは、ヨセフが天啓を受けたことと、将来キリストに起こる受難を意味しているとされている〔。また、『ロレートの聖母』には当初聖母子しか描かれておらず、ヨセフは後から描き足されたと考えられる。X線を使用した解析で、ヨセフが描かれているマリアの肩上部にはもともと窓が描かれており、ヨセフはこの窓を塗りつぶして上描きされていることが判明している。またこの解析からはキリストの右足も現在の位置とは異なっていたことが分かっており、これらの変更箇所はラファエロが『ロレートの聖母』制作時に描いた下絵のドローイングと一致している〔。 『ロレートの聖母』に描かれたマリアの衣服、ポーズ、傾けた頭部の向きなどは、ほぼ同時期に描かれたヴァチカン宮殿ラファエロの間の「署名の間」の『正義の女神』を連想させる〔〔。また、1512年から1518年ごろにかけて描かれた『青い冠の聖母』との共通点も見られる〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロレートの聖母 (ラファエロの絵画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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